2025-09-21

泰夫の短歌集

短歌集(脳性小児麻痺・生きる・音楽)

康夫の短歌集(脳性小児麻痺・生きる・音楽)脳性小児麻痺はがね車椅子の鋼の骨の冷たきに手を触れわれのひと日始まる気力さえ衰えゆくと思いつつ緊張ほぐす薬飲みつぐガラス戸にあたりし雀の音にさえ動悸の止まぬわが病なり馬鈴薯とトマトの合いの子の出来る...
泰夫の短歌集

康夫の短歌集(生命あるもの・窓辺の四季)

康夫の短歌集(生命あるもの・窓辺の四季)生命あるものあきつ我が膝に止まれる蜻蛉の大き目に向いて温き陽の中にいる欄干に淡く小さき網を張るクモは幾日を生きいるならん夕べ閉じ朝花開くチューリップ生命あるものの営みを見つかまきり蟷螂の鎌ふり上げし亡...
泰夫の短歌集

短歌集(施設に暮らす・遠きにありて)

康夫の短歌集(施設に暮らす・遠きにありて)施設に暮らすとほころ窓の外の枝垂れ桜の綻びて北向き部屋に陽を分けくるるあした木漏れ日が廊下に流れ込む朝早出職員小走りに過ぐ平成六年、身体障害者療養施設「真清水荘」に入所し顔火照りストレッチャーに臥す...
泰夫の短歌集

短歌集(彼方・見送る・交信・電子の海)

康夫の短歌集(彼方・見送る・交信・電子の海)彼方アンケートにこたえし謝礼の図書券に「東北書店」の印押されありシベリアより幾日をかけて飛び来しか翼の白き斑ひかりてまだら独り座しライブカメラを映し出す摩周湖きょうは秋深く澄む宍道湖のほとりより届...