破れかぶれの軌跡

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明日へ続く轍

明日へ続く轍一.出発 敷居際までたどり着いた。仰向けに寝転がったまま、開けっ放しの窓から空を見上げる。ところどころに浮かぶ薄い雲。今日で三日目の晴天だ。首を回して、視線を地面へ移す。土も、ほどよく乾いている。よし、これなら大丈夫。 窓ガラス...
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車いす大阪大奇行

車いす大阪大奇行その1 最近、急に体力の衰えを感じてきた。このまま次第すぼりになっていきそうで、どこかへ出かけることも不可能になるのではないかと不安でたまらなかった。こんな気分に活を入れようと思い立ったのが、友人とのふたり旅だった。その友人...
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僕とパソコンのアブない関係

僕とパソコンのアブナい関係(その一) 上のタイトルを見て、僕をご存じの方は「とうとうパソコンにまでちょっかいを出すようになったか」と、ため息をもらすに違いない。しかし、それは早合点というもの。いくら僕が好きものでも、石のかたまりを誘惑するほ...
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夢の途中

夢の途中 また恋に落ちてしまった。相手は15も年下、理学療法士(の中でも、PTと略される運動療法士)を目指してリハビリ学院で学んでいるという、19歳の学生だ。知り合ったのは、「旅行の会」の総会に出席すべく善通寺へ行こうとしていた、高松の福祉...
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障害のある人と仲良くする方法

障害のある人と仲良くする方法 私は身体障害者療護施設で、寮母さんの手助けを 受けながら生活している42歳のおじさんです。ここには私のほかに50人の人が同じよ うに暮らしています。私は生まれたてのころ高熱が出て脳性小児マヒという病気になり、 ...
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海の見える部屋で

海の見える部屋で 町内の人は、冬至の前後になると12時近くまで陽が差さない私の家を称して「かげうら」と呼んでいる。家の南側に、傾斜の険しい山が迫っていて、朝日が望めなくなるのだ。陽に照らされた領域がすぐそこまでやってきているのに、我が家に到...
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パソコン通信奮闘記

パソコン通信奮闘記 通信販売で注文していた、通信ソフトの到着が遅いのにしびれをきらして、PC-98のターミナル・モードでパソ通を始めたのが、去年の3月頃だった。古い雑誌を頼りにあ^ちこちのホストにアクセスしているうちに発見したのが、大阪のS...
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引田駅

引田駅 先日、鉄道の好きな文理大の学生ボランティアの車で、久しぶりに引田駅を見に行って きた。寒川町の療護施設「真清水荘」に入所する以前は、よく引田駅からJRを利用して 高松や丸亀、ときには松山まで足を伸ばしたものだった。実家から3㎞余りの...